クラウド型とオンプレミス型の違いは?オンプレミス型との違いやメリットを解説

現代の教育現場では、校務支援システムの選定が、効率的な業務管理を行う上で重要な要素となっています。
「現在使用している校務システムに必要な機能が揃っていない」などの理由で、システムの乗り換えを検討している方も多いのではないでしょうか。

本記事では、校務支援システムのクラウド型とオンプレミス型の違いについて解説します。

特に、2026年から本格的に導入が進められるクラウド型について詳しく紹介します。
校務支援システムの導入や乗り換えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

校務支援システムとは

校務支援システムとは、教職員の業務を効率化し、管理をサポートするためのICTツールです。

生徒の基本情報、出欠管理、成績などのデータを一元管理し、帳票作成やデータ分析機能、保護者への連絡・通知を簡単に行える機能などが搭載されています。

教職員の校務の負担を軽減するだけではなく、教育活動の質を向上させることもメリットです。

校務支援システムのクラウド型とオンプレミス型の違い

校務支援システムには、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。

それぞれ異なる特徴を持ち、以下の5つの観点で重要な違いがあります。

観点 クラウド型 オンプレミス型
管理 ・プロバイダーが管理、更新、メンテナンスを実施
・インターネット経由でアクセス
・学校側が管理、更新、メンテナンスを実施
・学校内からのアクセスに限定
コスト ・初期投資が少ない
・月額もしくは年額の運用コスト
・初期投資が高い
・サーバーやハードウェアの購入、設置、保守に関するコストが発生
アクセス性 ・インターネット接続があればどこからでもアクセス可能
・リモートや在宅勤務に対応
・基本的に学校内での利用に限定
セキュリティ ・データのセキュリティはプロバイダーに依存
・24時間体制の監視やデータの暗号化など高度なセキュリティ対策
・学校側でデータ保管場所やアクセスを完全管理
・セキュリティ対策に更新コストや手間が発生
カスタマイズ ・自由度が限られることがある ・柔軟なカスタマイズが可能で、ニーズに合わせた調整が可能

どちらを選択するかは、自校の予算やニーズによって変わりますが、今後はクラウド化が主流になると予想されています。

クラウド型の校務支援システムを導入する5つのメリット

校務支援システムのクラウド型のメリットは以下のとおりです。

テレワークや在宅勤務が可能になる

インターネット環境があれば、どこからでもアクセスできるため、技術的にはテレワークや在宅勤務が可能になります。

校務を学校内に限定する必要がなくなるため、より柔軟な働き方が実現します。

例えば、生徒が引っ越したときや、教員が異動になった際にもデータ移行がスムーズになります。

また、データが一元管理されているため、どの端末からでも最新のデータにアクセスでき、作業の重複やエラーなども防げます。

サーバーの設置が不要のため管理・運用の負担が軽減される

ソフトウェアの管理やアップデート、メンテナンスはプロバイダーが行うため、学校側の管理や運用の負担が大幅に軽減されます。

アップデートは自動で行われ、常に最新の機能やセキュリティパッチが適用されるため、システムの安全性も向上します。

例えば、セキュリティ関係を特定の教員が専任していた場合、異動時の引継ぎが困難なケースも生じます。

また、クラウド型はインターネット経由でアクセスできるため、導入までの時間が短縮されるメリットもあります。

導入・ランニングコストを抑えられる

ハードウェアの購入や設置が不要なため、初期費用やランニングコストを抑えられます

ソフトウェアのアップデートやメンテナンスはクラウドプロバイダーが行なうため、メンテナンスコストの削減も可能です。

また、必要に応じてリソースを増減できるため、コスト効率の向上も期待できます。

クラウド型は月額や年額契約のサービスが多く、運用コストが明確なので、予算管理もしやすいことが特徴です。

災害などの緊急時でもデータを失うリスクが低くなる

データのバックアップが自動で行われるため、災害などの緊急時でもデータ損失のリスクが低くなります

システムトラブルや人為的ミスが発生しても、迅速に元の状態に戻せるためです。

データ損失のリスクが軽減されるだけではなく、復旧の迅速さも大きなメリットです。

2026年度からのクラウド化に早期対応できる

「2026年から4年間かけてクラウド化の移行を進める」という政府の方針に早期対応できます。

政府が校務支援システムのクラウド化を進める目的として、以下の理由が挙げられます。

  • コスト削減
  • 教員の移動時の負担軽減
  • データ引継ぎの効率化
  • 都道府県単位でのデータ標準化

文部科学省は、全国の校務DX(デジタルトランスフォーメーション)の実態を把握しながら、施策を進めることを発表しています。

デジタル行財政改革 取りまとめ2024|内閣官庁[PDF]

校務支援システムクラウド型の3つのデメリット

クラウド型のデメリットは以下のとおりです。

システム連携ができないことがある

クラウドサービスから別のサービスに移行する際、既存のシステムやアプリケーションとの連携ができないことがあります。

システム間のデータ連携や、統合に時間がかかることがクラウド型の課題です。

サービス会社は、よりスムーズなデータ交換や機能統合を目指し、障壁を減らすことを目指しています。

オンプレミス型と比較するとカスタマイズ性に劣る傾向がある

クラウド型は、オンプレミス型と比較するとカスタマイズ性に劣る場合があります。

オンプレミス型は、学校側がシステム全体やカスタマイズを完全にコントロールできます。

一方、クラウド型は、多くのユーザーに共通の標準機能を提供しており、アップデートも定期的に行われます。
そのため、学校ごとに柔軟なカスタマイズをすることが難しい場合があるのです。

情報漏洩のリスクがやや高くなる

クラウド型は、オンプレミス型と比較すると情報漏洩のリスクがやや高くなる傾向があります。

ただし、クラウド型のセキュリティが甘いわけではありません。適切に設定・運用されていれば、オンプレミス型に劣らない高度なセキュリティが提供されています。

とはいえ、インターネット経由のアクセスやデータ共有の際は、情報漏洩に対する注意が必要です。
セキュリティーポリシーが現実的に運用される内容を設定する必要があります。

クラウド型に対応しているおすすめの校務支援システム3選

クラウド型に対応しているおすすめの校務支援システムを3社紹介します。

Major School System

Major-School-System引用:システックITソリューション株式会社

Major School Systemは、 システックITソリューション株式会社が提供している、フルカスタマイズ可能な校務支援システムです。
全国116校への導入実績(2024年3月時点)があり、特にカスタマイズ性を求める私立学校に多く導入されています。

  • 柔軟なカスタマイズ
  • Excelとの連携機能搭載
  • シンプルな操作性
  • 個人カルテ機能
  • 充実したサポート体制

Major School Systemは、独自の教育方針や成績管理をすることが多い私立学校に適しています。
また、サポート体制が充実しているため、生徒数が多い学校や、ITに慣れていない教職員が多い学校にもおすすめです。

参考:Major School System | システックITソリューション株式会社

e-教務V3

e-教務V3引用:株式会社エフワン

e-教務V3は、多機能かつシンプルな操作性に定評のある校務支援システムです。

  • 低コスト
  • 迅速なサポート対応
  • わかりやすく快適な操作性
  • 外字印刷対応
  • 万全なセキュリティ対策

e-教務V3はコストパフォーマンスに優れており、公立・私立に関係なく幅広い学校に柔軟に対応しています。
予算に制約のある学校や、ICT化を推進したい学校におすすめです。

参考:e-教務|株式会社エフワン

賢者

賢者引用:エスエイティーティー株式会社

賢者は、学校運営に必要な幅広いシステムに対応しており、柔軟なカスタマイズ性とセキュリティに定評があります。

  • 幅広い学校制度に対応
  • 指導要録の電子化対応
  • 柔軟なサポート体制
  • 高度なセキュリティ
  • 多彩なオプション機能

賢者は、多様な学校の制度に対応しています。公立・私立学校だけではなく、国際バカロレア教育課程や特別支援学校など、特殊なカリキュラムを持つ学校におすすめです。

参考:校務支援システム 賢者 |エスエイティーティー株式会社

まとめ

政府の方針からも、今後は校務支援システムのクラウド型が主流になると予想されます。

クラウド型の校務支援システムを導入することで、柔軟な働き方に対応でき、教職員の方の負担も軽減されるでしょう。

校務支援システムを導入をする際や乗り換えをする際は、自校の予算やニーズに合ったメーカーを選ぶことが大切です。

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