更新日: 2025年11月21日

校務支援システムはクラウド型がおすすめ?オンプレミスとの違いやメリット・2026年問題まで解説

現代の教育現場では、校務支援システムの選定が、効率的な業務管理を行う上で重要な要素となっています。
「現在使用している校務システムに必要な機能が揃っていない」「サーバーの保守期限が迫っている」などの理由で、システムの乗り換えを検討している方も多いのではないでしょうか。

本記事では、校務支援システムの「クラウド型」と「オンプレミス型」の違いについて徹底解説します。

特に、文部科学省の方針により2026年(令和8年)を目処に導入が進められる「次世代校務支援システム(クラウド化)」についても詳しく紹介します。
導入や乗り換えを検討している教職員・教育委員会の方は、ぜひ参考にしてください。

校務支援システムとは

校務支援システムとは、教職員の業務を効率化し、学校運営をサポートするためのICTツールです。

生徒の基本情報(名簿)、出欠管理、成績処理、保健管理などのデータを一元管理し、指導要録などの帳票作成や保護者への連絡・通知を簡単に行える機能が搭載されています。

教職員の長時間労働を是正し、子供たちと向き合う時間を確保することで、教育活動の質を向上させることが最大の目的です。

校務支援システムのクラウド型とオンプレミス型の違い

校務支援システムには、大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。

それぞれの違いを理解するために、5つの観点で比較しました。

観点 クラウド型(パブリッククラウド) オンプレミス型(自校設置)
管理・保守 ・事業者が管理、更新、メンテナンスを実施
・常に最新版が利用可能
・学校(自治体)側が管理、更新を実施
・OSやハードウェアの老朽化対応が必要
コスト ・初期費用が安い
・月額/年額のランニングコストが発生
・初期費用(サーバー購入費等)が高い
・5年ごとのリプレイス費用が発生
アクセス性 ・インターネット接続があればどこからでも可
・在宅勤務(テレワーク)に対応しやすい
・基本的に学校内ネットワーク(職員室)に限定
・外部接続にはVPN等が別途必要
セキュリティ ・ゼロトラスト等の高度な対策が可能
・事業者のセキュリティレベルに依存
・外部と遮断することで安全性を確保
・物理的な盗難や災害リスクがある
将来性 文科省が推奨(次世代型)
・機能拡張が容易
・今後の主流からは外れる傾向
・独自カスタマイズはしやすい

従来はセキュリティの観点からオンプレミス型が多く採用されてきましたが、現在は「クラウドバイデフォルト(クラウド第一)」の方針により、クラウド型への移行が加速しています。

クラウド型の校務支援システムを導入する5つのメリット

クラウド型校務支援システムを導入するメリットは、単なるコスト削減だけではありません。教育DXを推進する上での利点について解説します。

1. テレワークや在宅勤務が可能になる

インターネット環境と認証端末があれば、どこからでも安全にアクセスできるため、場所を選ばない働き方が可能になります。

これまでの「学校に行かないと仕事ができない」という環境から脱却し、出張先や自宅でも校務処理が可能になります。これは、教職員の働き方改革において非常に大きなメリットです。

2. サーバー管理・運用の負担がなくなる

オンプレミス型の場合、サーバーの再起動やバックアップ、OSのアップデートといった保守業務が教職員(特に情報担当)の重荷になっていました。
クラウド型では、これらのメンテナンスをすべてサービス提供事業者が行います。

常に最新の機能や法改正対応(指導要録の改訂など)が自動で適用されるため、「システムのお守り」から解放され、本業に集中できます。

3. 導入コストの抑制とスモールスタート

高額な物理サーバーや周辺機器の購入が不要なため、初期費用(イニシャルコスト)を大幅に抑えられます

また、生徒数の増減に合わせてライセンス数を調整できるため、無駄なコストが発生しにくいのも特徴です。予算取りが単年度ごとの自治体や学校にとっても、月額・年額制は予算計画が立てやすいメリットがあります。

4. BCP対策(災害時のデータ保全)に強い

学校内にサーバーがある場合、火災や水害、地震などで物理的にデータが破損・消失するリスクがあります。
クラウド型であれば、データは堅牢なデータセンターで多重バックアップされているため、災害時でもデータを失うリスクが極めて低くなります

また、被災して学校に入れない状況でも、別の場所からシステムにアクセスして緊急連絡網を稼働させるといったBCP(事業継続計画)対策としても有効です。

5. 2026年「次世代校務支援システム」への早期対応

政府は2026年(令和8年)を目処に、クラウド活用を前提とした「次世代校務支援システム」への移行を目指しています。

クラウド化することで、以下のような「校務DX」が実現します。

  • データ連携:学習系システム(LMS)と校務系システムのデータを連携させ、ダッシュボードで分析
  • 標準化:都道府県単位での共同調達によるコスト削減
  • 負担軽減:教員の異動時のデータ引き継ぎや操作習熟の効率化

早めにクラウド型へ移行することで、これら国の施策にスムーズに対応できる体制が整います。

GIGAスクール構想の下での校務DXについて|文部科学省[PDF]

校務支援システムクラウド型のデメリットと対策

導入前に知っておくべき課題点と、それに対する近年の対策について解説します。

既存システムとの連携課題

クラウドサービスへ移行する際、これまで使っていた独自システムや古いアプリケーションと直接連携できないケースがあります。

【対策】
近年は「API連携」に対応したクラウドシステムが増えています。また、CSVによる入出力機能を使えば、多くのシステム間でデータ連携が可能です。導入前にデータの互換性をしっかり確認しましょう。

カスタマイズ性の制限

クラウド型は多くの学校で使える「標準機能」を提供するため、オンプレミス型のような「自校独自の帳票に合わせたフルスクラッチ開発」などは難しい傾向があります。

【対策】
しかし、最近では帳票カスタマイズ機能が充実したサービスや、Excelのアドインで帳票を自由設計できるシステム(後述のMajor School Systemなど)も登場しています。「業務フローをシステムに合わせて標準化する」ことが、結果として業務効率化につながる場合も多くあります。

ネットワーク依存とセキュリティへの懸念

インターネット経由で利用するため、回線トラブル時には利用できなくなるリスクや、情報漏洩への漠然とした不安があるかもしれません。

【対策】
現在は、場所を問わず安全性を担保する「ゼロトラストセキュリティ」の考え方が主流です。「多要素認証」や「アクセスログ監視」など、物理的なサーバー管理以上に高度なセキュリティ対策が講じられているクラウドサービスを選ぶことが重要です。

クラウド型に対応しているおすすめの校務支援システム3選

クラウド対応で実績があり、特徴の異なる3つのシステムを紹介します。

Major School System(メジャースクールシステム)

Major-School-System インターフェイス画面

Major School Systemは、システックITソリューション株式会社が提供するシステムです。クラウド型でありながら柔軟なカスタマイズ性を持つ点が最大の特徴です。

  • 特徴:Excel帳票との強力な連携機能
  • 対象:独自帳票や独自の評価制度が多い私立学校に最適
  • 強み:導入後の専任担当による手厚いサポート

「クラウドにしたいが、今の運用ルールは変えたくない」という学校におすすめです。

参考:Major School System | システックITソリューション株式会社

e-教務V3

e-教務V3 ロゴ

株式会社エフワンが提供する「e-教務V3」は、シンプルで直感的な操作性とコストパフォーマンスに定評があります。

  • 特徴:必要な機能に絞った分かりやすいUI
  • 対象:コストを抑えたい学校、ICTに不慣れな職員が多い現場
  • 強み:外字対応やスムーズな導入支援

多機能すぎると使いこなせない、という懸念がある場合に適した選択肢です。

参考:e-教務|株式会社エフワン

賢者(けんじゃ)

校務支援システム 賢者

エスエイティーティー株式会社の「賢者」は、小中高だけでなく、特別支援学校や中高一貫校など多様な学校種別に対応した高機能システムです。

  • 特徴:学校種別ごとの細かい制度対応(単位制、国際バカロレア等)
  • 対象:複雑なカリキュラムを持つ学校
  • 強み:指導要録の電子化や高度なセキュリティ設定

特殊なカリキュラム運用が必要な学校での導入実績が豊富です。

参考:校務支援システム 賢者 |エスエイティーティー株式会社

まとめ:校務支援システムはクラウド型への移行が加速中

本記事では、校務支援システムのクラウド型とオンプレミス型の違いについて解説しました。

  • 管理・運用コストの削減
  • 場所を選ばない柔軟な働き方
  • 2026年の次世代校務支援システムへの対応

これらのメリットから、今後は間違いなくクラウド型がスタンダードになります。
セキュリティやカスタマイズ性の課題も、技術の進歩により解消されつつあります。

まずは自校の課題を洗い出し、複数のクラウド型システムの資料を比較することから始めてみてはいかがでしょうか。

校務支援システム
比較表

「機能」 「サポート」 「料金」 について、オススメの校務支援システム5社をピックアップしてまとめました!
気になるシステムがあれば、ぜひ公式HPからチェックしてみてください。

基本情報 Major School System スクールマスターZeus e-教務V3 スクールエンジン BLEND
システックITソリューション
株式会社
ウェルダンシステム株式会社 株式会社エフワン 株式会社システムディ モチベーションワークス
株式会社
company 1公式サイトへ company 2公式サイトへ company 3公式サイトへ company 4公式サイトへ company 5公式サイトへ
特徴 完全カスタマイズにて個別対応!3分割納品で操作性を確認できる。導入初年度は無償サポート! 誰でも扱える見やすいデザイン。最小限の手間で最大限の仕上がり。 最小限のクリック数で使える優れた操作性パッケージ型で素早い導入。 自治体や教育委員会を中心とした、各校への広域導入と一括管理を実現。 サブスクリプション型の料金設定!フルクラウドで常に最新型へアップデート。
システムのカスタマイズ
完全カスタマイズ型
パッケージ型
※別途見積りで拡張可能
パッケージ型
パッケージ型
※エンタープライズプランのみ

出席管理
学籍情報管理
保護者連携機能
記載なし



即日対応
専属エンジニアによる継続サポート
即日対応可能
ヘルプデスクで即日確認
ヘルプデスクで即日確認
緊急時のみサポートチームが
即日確認
記載なし
納品までの
システム拡張
無料対応
※別途見積り
カスタマイズ不可
カスタマイズ不可
記載なし
導入までの
運用研修
3回
3分割の納品で
現地にて直接報告、運用の指導
※無償
リモートや訪問で説明会を実施
※無償
2回
一般職員向け説明会
管理者向け説明会
※無償
各種研修あり
※別途7万〜10万
記載なし
料金 5年間の
推定総額※
600万円
360万円+60万円×4年
記載なし
記載なし
444万
サーバー・通信設備
・サポート費用

48万4千円
+79万2千円×5年
1,188万円
3,960円×600名×5年
年間保守費用
60万円
※導入後1年間は
保守費0円無償で仕様変更可
記載なし
記載なし
79万2千円
3,960円/生徒1人
初期費用
高校・一貫校:
360~1093万円
※5年で分割払いも可能
※直近3年間における初期費用
記載なし
記載なし
小中高:48万4千円
無し
導入校の例 筑波大学附属駒場中高等学校
早稲田中学校・高等学校
東京大学教育学部附属中等教育学校
明誠学院高等学校
関西大倉中学校・高等学校
その他多数
堀越高等学校
暁星小学校
成蹊小学校
浦和学院高等学校
白百合学園小学校
その他多数
記載なし 記載なし 開志学園高等学校
聖徳学園中学校高等学校
その他多数
基本情報 Major School System スクールマスターZeus e-教務V3 スクールエンジン BLEND
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※費用はシステムの仕様により大きく変動する場合がございます。あくまで目安としてご利用ください。

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