学校の業務の効率化を目指すため、私立学校で教務支援システムを導入を検討している方もいるのではないでしょうか。独自のルールがある私立学校で、校務支援システムを使いたいけど、サービスの内容や評判が気になる方もいるでしょう。

本記事では、校務支援システムの概要、私立高校への導入状況・事例について詳しく解説します。私立高校に適した校務システムを選ぶ時のポイントや補助金情報、おすすめの校務システムも合わせて紹介します。

利用を検討している方はぜひ、参考にしてみてください。

校務支援システムとは

校務支援システムとは、教育現場で教員が請け負うさまざまな業務の情報を電子化し、一元管理するシステムのことです。

教員が請け負う業務内容は多岐に渡り、負担が大きいことから教員の残業が問題となっています。教務支援システムの導入は、校務に関する情報を集約し、教員の校務負担軽減を実現できます。

学校事務の効率化

学校の教職員が行う事務は、成績管理や出欠管理、徴収金の管理などさまざまです。多岐にわたる校務の効率化を目指して、校務支援システムには以下のような機能があります。

システムの内容 主な機能について
学籍関係
  • ・生徒や保護者の基本情報の管理
  • ・生徒の出欠簿管理
  • ・進級・進学・卒業などの情報処理
  • ・年間行事の予定表管理
教務関係
  • ・通知表などの成績管理
  • ・時間割・年間指導計画の管理
  • ・模試・受験結果の管理
  • ・進学・就職先などの進路管理
職員・学校事務
  • ・教職員の勤怠管理
  • ・願書や合否の管理
  • ・受験料・入学金・学費などの徴収金の管理
業務支援
  • ・生徒の学習傾向などを数値で可視化できるポートフォリオ作成
  • ・小テストの結果管理
  • ・授業に関するアンケートの管理
保健関係
  • ・生徒の健康診断の内容管理
  • ・保健室の来室記録を管理
  • ・生徒の体力テスト結果を管理

校務システムを駆使することで、教職員の間で生徒・保護者に関する情報共有を円滑にできます。オンライン上で情報を一元管理することで、徴収金など、学校運営に関する事務作業も効率化できるでしょう。

私立高校における校務システム導入状況

私立高校における校務支援システム導入状況について紹介します。校務支援システムは公立校では8割以上の学校で導入されています。

一方で、私立校での校務支援システム導入率は、約5割程度です。
参照:教育家庭新聞

私立校が校務支援システムの導入を行っていない理由で最も多いのが、「予算の確保が難しい」です。また、教育理念や授業内容が公立校と異なり、校務支援システムの導入体制が整っていないという意見もあります。

私立校でも、教職員の負担軽減のために導入したいという意見は多いですが、公立校よりも導入率が低いのが現状です。

公立学校を含めた全国の導入率についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:校務支援システムの導入状況について

導入時のメリット

私立校が校務支援システムを導入することで得られるメリットには、以下の3つがあります。

メリット 私立校の特徴 システムの詳細
1. 業務負担を軽減
  • ・私立校の教職員は、通常業務に加え、学校運営に関する入試・広報の業務がある
  • ・入試の出願から合否発表、受験料や入学金の管理のまでデジタル化できる
  • ・出願ミスの防止・願書のデータ化ができる
  • ・教職員の業務負担も軽減できる
2. 小中高一貫校の場合、進学時の連携がスムーズ
  • ・私立校は、小中高一貫の場合、進学時に情報共有を行う
  • ・生徒の情報共有をより円滑に行うことができる
  • ・オンライン上で生徒の成績や個人情報について一元管理できる
  • ・進学時の連携をスムーズに行える
3. 教育の質の向上が目指せる
  • ・専門性の高いカリキュラムの場合、生徒によって学習状況が異なることもある
  • ・すべての教職員が生徒の特徴を理解しやすい
  • ・学校全体で、一人一人の生徒に対して、よりきめ細かい学習・生活指導を行える
  • ・学習指導や生活指導の質の向上

私立校に校務支援システムを導入することで、教職員だけでなく、生徒に対しても大きなメリットがあるでしょう。

公立向けと私立向けの違い

公立向けと私立向けの校務支援システムの違いについて紹介します。公立校と私立校の主な違いは以下の通りです。

公立校 私立校
  • ・地方公共団体が運営
  • ・学校法人が運営
  • ・一般入試(国語・数学・英語・社会・理科)の5教科
  • ・基礎学力を求められる
  • ・英語・数学・国語の3教科のことが多い
  • ・応用力も求められる
  • ・文部科学省が教育方針を定めている
  • ・学校独自の理念や方針に沿った指導
  • ・文部科学省がカリキュラムを定めている
  • ・学校独自の授業内容
  • ・専門性の高い授業、カリキュラム

私立校は独自のカリキュラムに基づいた授業内容を行い、中高一貫、専門学科や大学付属などがあります。さらに専門性が高いカリキュラムにより学習内容も細分化されている傾向があります。

そのため、校務支援システム選びにも公立校と私立校では違いがあるので注意が必要です。私立校では、公立校と異なり学校独自の授業やカリキュラムがあるため、カスタマイズできるものが望ましいでしょう。

私立学校の導入事例

実際に校務システムを導入した私立高校の声を2つ紹介します。

東海中学校・東海高等学校:独自のルールに合わせた構築に成功した

公立校でよく使用されるパッケージ化された校務支援システムでは、学校独自のシステムへの改修が必要でした。そのため、東海高等学校では、私立校に合わせたカスタマイズが可能な校務支援システムを選びました。

学校のカリキュラムに合わせた柔軟なカスタマイズで、教員の業務負担を軽減できたのです。また、教員の業務過多以外にも、システムが一元管理されることで、担当者以外でも業務を行うことができるようになりました。

参照元:Welldone System|東海中学校・東海高等学校様

豊島岡女子学園中学校・高等学校:校務ミスを軽減し、生徒との時間を増やすことに成功

校務支援システム導入前は、成績の算出処理でミスがあった豊島岡女子学園中学校・高等学校ですが、導入後はミスがほとんどなくなりました。また、電子化することでどこで間違えたのかすぐにわかるので効率が良くなったという意見が見られます。

生徒のプライバシー保護の観点から手書きで行っていた業務も、セキュリティ対策のある校務支援システムで電子化されました。電子化により効率よく業務ができるようになり、生徒との時間の確保につながりました。

参照元:Welldone System|豊島岡女子学園中学校・高等学校様

私立高校に適した校務システム選びのポイント

私立高校に適した校務システム選びのポイントを紹介します。主なポイントは以下の3つです。

  • ・私立高校独自のルールに対応している
  • ・学納金や経営管理にも対応している
  • ・生徒や保護者との連携にも対応している

 

私立高校独自のルールに対応している

私立高校は独自の文化やルールがあるため、対応できるシステムを選ぶことが大切です。文部科学省の決めたカリキュラムのよる指導を行う公立校と異なり、私立高校は独自のカリキュラムや教育方針があります。

校務支援システムも、パッケージ化されたものだと、柔軟にカスタマイズが難しいことがあるでしょう。独自のルールに対応できる柔軟な校務支援システムを選ぶようにしましょう。

学納金や経営管理にも対応している

私立高校は、学校経営も大きな業務の一つで、学納金の管理は事務作業の中でも重要です。学納金の管理を集約し、電子化することで、事務作業を効率化することができます。未納者の把握や、奨学金対象者への振込状況も把握できるので、学費の管理を正確に行うことができます。

私立高校は、学費徴収から資産管理など学校運営を自ら行うので業務内容も複雑です。学費管理の事務作業が効率化することで、業務量の負担が少なくなるでしょう。

生徒や保護者との連携にも対応している

小中高一貫校の場合、長期間に渡って生徒や保護者との連携・関係性の構築を行う必要があります。校務支援システムでは、生徒や保護者との連携に活用できるものもあります。保護者とのやり取りがオンライン上で行えて、生徒の遅刻・欠席連絡の他に、通知表や治療勧告書などのやり取りも可能です。

私立高校では特に、進路相談など生徒と保護者との連携が必要になる場面が多くあるでしょう。学校のニーズに合わせて、生徒や保護者との連携システムに対応している校務支援システムの検討をしてみてください。

私立高校が受けられる助成金

私立高校でも、校務システムの導入に向けて受けられる助成金があります。東京都内の私立校は、「私立学校ICT化環境整備助成事業」の助成金を使用できます。

東京都以外の都道府県では、自治体ごとに助成金の有無が異なるので注意が必要です。私立高校では、校務システムを利用したいが、「予算の確保が難しい」という意見があります。文部科学省は、全国の公立の小学校・中学校・高校、特別支援学校に対して、校務支援システムの導入のための補助金を行っています。

しかし、私立校で校務システムの助成金は支給される地域が限られているため、利用したくてもできない学校もあるのでしょう。助成金の利用を検討している方は、自治体に助成金があるか確認してみましょう。

参考元:令和6年度私立学校デジタル教育環境整備費助成事業のしおり

自校に助成金の条件が当てはまるかどうか気になる方はこちらの記事を参考にしてください。
関連記事:校務支援システムを導入する際の補助金制度はある?

おすすめの校務システム3選

私立校におすすめの校務システムを3つ紹介します。利用を検討している方は、ぜひ、参考にしてみてください。

Major School System

Major-School-System出典: システックITソリューション株式会社

Major School Systemは、私立中高一貫向けの校務支援システムです。完全カスタマイズにて個別対応で3分割納品で操作性を確認できます。導入初年度は無償サポートもしてくれます。主な特徴は、以下の5つです。

Major School Systemの特徴 詳細
1. 完全カスタマイズ型のパッケージ 私立校独自のルールや要望に合わせてカスタマイズ可能
2. Excelとのダイナミックな連携機能 電子化したデータの二次利用が可能で、汎用性が高い
3. 障害に強いセキュリティシステム サーバーが故障してもPC単体で運用継続ができて安心
4. シンプルな機能で簡易な操作 簡単な操作で、誰でも安心して使用できる
5. 個人カルテの機能がある 個別指導や生徒の基本情報を把握するツールとして活躍

私立高校のために作られたシステムなので、学校の要望に合わせてフルカスタマイズができるので安心です。

スクールマスターZeus

スクールマスターZeus

出典:ウェルダンシステム株式会社

スクールマスターZeusは、私立小中高校向けの校務システムです。学校の特色を活かして、柔軟にカスタマイズが出来るので、最適なシステムの構築が可能です。

通知表・要録・調査書・名簿名表など学校の情報をすべて一元化するので、転記の手間やミスをなくすことができます。生徒ごとの特徴や学習状況をまとめ、個人カルテの作成や、兄弟姉妹の情報や追跡調査も可能です。教育現場ごとの環境に対応でき、IB対応や4学期制の対応もできます。

学校内の情報を教職員で共有できる掲示板やその日の出欠状況を確認できるツールや、シーンごとに活用できる帳票の作成も可能です。私立小学校向けと私立中高向けがあるので、ニーズに合わせてシステムを選ぶことができます。

Siems(シームス)

Siems

出典:シームスブレインズ株式会社 

Siemsは、私立高校向けに開発されたサービスです。

Siemsの特徴 詳細
1. 成績・学籍処理の効率化、業務負担の軽減
  • 必要な処理のみ指示をしてくれるので、簡単な成績処理が可能
  • 帳票は、過去に入力したデータを活用し、手軽に発行可能
2. 情報を効率よく共有し、指導や教育に活用
  • 情報やノウハウを共有し、生徒指導に活用
  • 指導スキルの向上が期待できる設計
3. 徹底した出欠管理、きめ細かい指導の実現
  • 簡単操作で出欠管理ができる
  • 遅刻・早退などの連絡もすぐに担任に届く
  • 生徒ごとの出欠日数を把握し、担任に報告
4. コミュニケーション機能で業務の効率化
  • 生徒情報や学校内の情報を掲示板やメッセージ機能で確認できる
  • 担任クラス以外の情報も確認可能

一般的な校務以外に、生徒指導や細かな業務などさまざまなシーンで活用できる機能が備わっています。学校に合わせた柔軟なカスタマイズが可能なので、私立校にもおすすめです。

まとめ

私立校では、校務支援システムを導入する際に柔軟なカスタマイズができることが重要です。校務支援システムの導入は、一般的な業務や入試・広報などの業務をこなす私立校の教職員の業務負担を軽減につながります。

しかし、私立校は、金銭的に導入が難しいことや制度が整っていないことから校務支援システム導入率が公立校よりも低い現状があります。助成金などを活用し、私立校の独自のルールに対応できる柔軟な校務支援システムを選びましょう。

校務支援システム
比較表

「機能」 「サポート」 「料金」 について、オススメの校務支援システム5社をピックアップしてまとめました!
気になるシステムがあれば、ぜひ公式HPからチェックしてみてください。

基本情報 Major School System スクールマスターZeus e-教務V3 スクールエンジン BLEND
システックITソリューション
株式会社
ウェルダンシステム株式会社 株式会社エフワン 株式会社システムディ モチベーションワークス
株式会社
company 1公式サイトへ company 2公式サイトへ company 3公式サイトへ company 4公式サイトへ company 5公式サイトへ
特徴 完全カスタマイズにて個別対応!3分割納品で操作性を確認できる。導入初年度は無償サポート! 誰でも扱える見やすいデザイン。最小限の手間で最大限の仕上がり。 最小限のクリック数で使える優れた操作性パッケージ型で素早い導入。 自治体や教育委員会を中心とした、各校への広域導入と一括管理を実現。 サブスクリプション型の料金設定!フルクラウドで常に最新型へアップデート。
システムのカスタマイズ
完全カスタマイズ型
パッケージ型
※別途見積りで拡張可能
パッケージ型
パッケージ型
※エンタープライズプランのみ

出席管理
学籍情報管理
保護者連携機能
記載なし



即日対応
専属エンジニアによる継続サポート
即日対応可能
ヘルプデスクで即日確認
ヘルプデスクで即日確認
緊急時のみサポートチームが
即日確認
記載なし
納品までの
システム拡張
無料対応
※別途見積り
カスタマイズ不可
カスタマイズ不可
記載なし
導入までの
運用研修
3回
3分割の納品で
現地にて直接報告、運用の指導
※無償
リモートや訪問で説明会を実施
※無償
2回
一般職員向け説明会
管理者向け説明会
※無償
各種研修あり
※別途7万〜10万
記載なし
料金 5年間の
平均推測総額※
716万円
524万円+48万円×4年
記載なし
記載なし
404万円+
サーバー・通信設備
・サポート費用

44万円
+72万円×5年
1440万円
3600円×800名×5年
年間保守費用
48万円
※導入後1年間は
保守費0円無償で仕様変更可
記載なし
記載なし
72万円
3,600円/生徒1人
初期費用
高校・一貫校:
360~1093万円
※5年で分割払いも可能
※直近3年間における初期費用
記載なし
記載なし
小中高:44万円
無し
導入校の例 筑波大学附属駒場中高等学校
早稲田中学校・高等学校
東京大学教育学部附属中等教育学校
明誠学院高等学校
関西大倉中学校・高等学校
その他多数
堀越高等学校
暁星小学校
成蹊小学校
浦和学院高等学校
白百合学園小学校
その他多数
記載なし 記載なし 開志学園高等学校
聖徳学園中学校高等学校
その他多数
基本情報 Major School System スクールマスターZeus e-教務V3 スクールエンジン BLEND
公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ

※高校生徒数600名 × 5年目までの平均推測総額

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